Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
カッと取り逆上たお里は大利根へ身を投げて死んでしまう。
これがその一席――。
その年の冬、江島屋の番頭金兵衛が下総へ商用できて吹雪に道を失い、泊りを求めた茅ら家で夜半あやしき煙りが立つから破れ障子から奥の間を覗いて見ると、瘠せ衰えた老婆が「片膝を立てまして、骨と皮ばかりな手を捲り上げて、縫模様の着物をピリピリと引き裂いて囲炉裏の中へくべ、竹の火箸で灰の中へ何か文字のようなものを書いては、力を入れてウウンと突」く。さらにまた「縫模様をピリピリと破いてポカリッと火の中へ入れて、呼吸遣い荒く、ああと言って柱のほうへ往くと、柱に何か貼り付けてあって、釘が打ってある、それを石でコツーンと力に任せて打ちひょろひょろと転げてはまた起ち上って打つ事は幾度か知れません、打ち付けて、終に石を投げ附けて、ひょろひょろと元の処へ戻ってきて、また火の中へ何かくべて居るその様子は実に身の毛もよ立つ程怖い」
いう迄もないこれがお里の母の成れの果てで、江島屋があのようなものを売ったばかりに、可愛い娘を殺してしまった。おのれ、江島屋め、人に怨みがあるものかないものかと、怨みの嫁入り衣裳を火中に、かくはいのちを賭けて呪っているのである。