Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
いいながらツツーと猿臂を伸ばしてちぢかまっている次郎吉の首根っ子をあわや掴まえようとした。
「ま、待った、師匠」
あわてて番頭、遮ると、
「待って……まあ待ってったら圓太郎さん」
「う、うっちゃっといておくんなせえ、いいえこんな……こんな盗人野郎。そ、そこの不忍の池へ叩ッ込んで、む、貉の餌食にでもしてやらなきゃ」
「いい加減におし圓太郎さんてば」
今度はあやうくふきだしそうにさえなりながら番頭、
「人……。不忍の池の中に貉がいるかえ」
「ア、違えねえ、狸だ」
「狸もいないよ水ン中にゃ」
「じゃ何でしょう」
「私に訊く奴がありますかえ」
呆れ返って、
「いおうならお前さんそれも獺だろう」
「ウ、それだ、ソ、その獺の餌食にしなけりゃ、こ、この私の……胸が、胸が……」
またもや次郎吉のほうへのしかかっていこうとする腕へ、ぶら下がるようにつかまって、
「いやだてばそう早合点をしちまっちゃ、お前さん。いいえ……いいえさ、何もそんな大それた、この子がお店のお銭へ手をかけたっていうのじゃない」
「だ、だって現に……現にこの通り番頭さん」
「だからさ、ねえ、だから話はおしまいまで聞いて貰わなけりゃ。