Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
仲間には馬鹿丁寧で、お神さんに頭が上がらず、おしのどんにもやさしい口を利く師匠なのにこの自分にばかりはガミガミガミガミ我鳴り立てる。ことによると八方ふさがりでどこへいっても頭ばかり下げているからこの自分にだけ、天下御免と怒鳴りちらすのかもしれない。
そう考えると師匠が少し可哀想にもなるけれど、いやいやいやとんでもない、可哀想なのはよっぽどその癇癪の捌け口にされているこの俺のほうだろう。
しかもお神さんが別嬪さんなばかりで苦労しらずの武家出ときているから、そういうとき間へ入って何ひとつとりなしてくれず、おしまいまでほったらっかしッ放しだ。
ほったらかしておくほうは小言の火の手が自然にくすぶって消えるまで勝手だろうが、ほったらかされておかれるほうは随分堪らない。
お供をして寄席へいったってそうだ。
このごろは師匠の噺はおろか、誰の噺も到底おちおち聴いているひまなんかありはしない。
あとからあとからくる人の合羽をぬがす、羽織を畳む、お茶をだす、御簾の上げ下ろし、鳴物の手伝い――こうした前座さんの手伝いをしながら、その上に師匠の楽屋へ入ってからでてくるまでヤレ何を買ってこい、ソレ何を買ってこい、どこそこへ使いにいってこい、それこそ独楽鼠のように使いまくられなければならない、おかげで自分が師匠の供をして行く寄席