Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
Lesen Sie 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) von 正岡 容 (まさおかいるる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 163.270 Zeichen · 325 Bildschirme
題は「雪」「餅搗」「落葉」だった。りう馬師匠が「からからと日本堤の落葉かな」という句をだして、そりゃお前抱一上人さまの名高え句じゃねえかと文楽さんからたしなめられ、一同大笑いになったりした。運座はいい加減にして間もなくお酒がはじまり、歌えよ踊れよの年忘れ、到底稽古どころではなかった。
次の日は誰もこなかった。「梅暦」ももうおしまいになったとみえてお神さんはおしのどんを指図して台所で春の仕度に余念がなかった。師匠一人が退屈していた。しきりに家の中を行ったりきたりしていた。でもなぜか稽古はしてくれなかった。
その次の日もまた、そうだった。いよいよ師匠は身体を持て扱っているらしく、「アー……アー……」としきりに大あくびをしては、
「誰か……誰かこねえかなあ遊びに。どうもたまにこうやってジッと家にいると身を切られるより辛い」
と世にも寂しそうな顔をした。そんなに所在なさに苦しんでおいでなのなら――ムラムラと小圓太はいまお稽古して貰いたさの念に駆り立てられてきた。
「あの……師匠……」
で、つい昼の食事の膳を片づけにいったあと、いいにくそうに小圓太は切りだしてしまった。