Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

しょうせつのないようろん

小説の内容論

豊島 与志雄

Lesen Sie 小説の内容論 (しょうせつのないようろん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.097 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

なぜなら、作中人物が実在の作者と同一視せられるまでに、生々と描写せられてるわけになるから。然しながら、理解ある批評家をかかる誤謬に陥らせるのは、一方から云えば、作品に欠陥ある所以となる。なぜなら、作中人物に対する作者の眼が、徹底を欠いてるわけになるから。

創作中の作者には、二つの働きがある。一は描出の働きであり、一は批判の働きである。

作者は、あくまでも作中人物を生かしぬこうと努める。それがために、その人物に独自の個性を与えんとする。この個性は、作者が勝手に手を触るることを得ないものである。作者は、その人物が狂人ならばあくまでも狂人たらしめ、賢者ならばあくまでも賢者たらしめんとする。即ち狂人として描き、賢者として描く。この時作者は、作中人物になりきると云ってもいい。かかる働きを「描出の働き」と、かりに私は名づけたい。そして、この描出の働きの結果が、即ち作品の「書かれたる内容」となる。之を具体的内容と云ってもいい。

作者はまた一方に、絶えず作中人物を見守ってゆく。その一挙一動を見守って、それに或る意義を持たせてゆく。かかる作者の眼は、作中人物の意識しない底にまで透徹せんと努める。