Japanische Klassiker mit Furigana
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こすず
小鈴
宮本 百合子
Lesen Sie 小鈴 (こすず) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 1.469 Zeichen · 3 Bildschirme
何心なく手にとってその鈴の束の鳴る音を聴いていたら、同じような小鈴ながら中にはいくらか澄んだいい音色のものもあって、可愛い心が誘われた。
馬だって初荷のときは鈴をつけられる。私の弟のやさしい従順な家内が、あんなに朝から晩まであれこれ心をくばって暮しているのに、腰紐に小さい鈴が一つくっついていて、朝身じまいをするときだの、夜着物をきかえる時だの、何処かでチリリと鳴ったとしたら、やっぱりそれはわるい心地もしないだろう。
同じ店にあった紅の小袋にその鈴をいれて、お年玉とした。これは、今年のお祝いよ、歩めよ小馬、のお祝いよ。そう云ってわたした。
いろんな女のひとの生活をみていると、この頃では二十五六歳という年が、複雑な内容でその人たちの行く手に現われるのがよくわかる。何か一つ遣りたいこと、しとげたい目的をもっている女性にとって、二十五・六という年は結婚とも絡んで愈々そのことに本腰にならせるか、或は余技的なものにするかという境のようなところがある。そんなことでも、二十五は男の厄という古い現実はいつか消しとばされているのである。
〔一九四一年三月〕