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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

最初は幼い子供を不安がらすまいと、努めて愛想笑いを浮かべて、あやすように云っていたのであるが、しゃべっているうちにいつか真剣さの溢れた表情になり、どうにかして納得させようと一生懸命になっているのが、滋幹にも分った。普通そう云う時の大人の顔は、子供には恐いものなので、滋幹もいくらか脅やかされて薄気味悪く感じたのであったが、その半面に、さも思い詰めた、子供にも同情心を起させないでは措かないような哀願的な態度が見えた。

男は子供が頷いたので、又「賢い/\」を云いながら、注意深くあたりを見廻して、

「ちょっと、ちょっと、………」

と、滋幹の手を曳いて、とある一と間の屏風の蔭へ引っ張って行った。と、そこの机に置いてあった筆を取って硯にひたすと、

「じっとしていて下さいよ」

と云いながら、滋幹の右の袂を肩の方までまくり上げて、二の腕から手頸の方へかけて、考え/\歌の文句を二行に書いた。

書いてしまっても、墨の乾くのを待つ間手を握ったまゝ放さずにいるので、まだ何かされるのではないかと云う気がしたが、墨が乾くと、まくり上げた袂をていねいにおろして、

「さあ、これをお母さまにお見せして下さい、誰も外の人のいないところで。