Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうしょうしげもとのはは
少将滋幹の母
谷崎 潤一郎
Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme
等々、いろ/\とそれに似たような句があったことを、きれ/″\に覚えているのである。父はそれらの句を、悄然として庭の片隅に彳みながらこっそり吟誦していることもあり、人を遠ざけて独りで酒杯を挙げながら、感極まった声を放って泣いて謡っていることもあったが、そんな折には父の両頬に涙が縷々と糸を引いていた。
その時分、讃岐はいつからか館にいないようになっていたのであるが、思うに彼女は母が逃げ去ると間もなく、自分も父を見限って母の方へ身を寄せたのではあるまいか。滋幹の記憶する限りでは、乳人の衛門が滋幹のことも父のことも、何くれとなく面倒を見てくれていた。どうかすると彼女は、頑是ない滋幹をたしなめるのと同じ口調で父をたしなめたりしたが、彼女が最もやかましく云ったのは父の飲酒のことであった。
「お年を召して、外には何もお楽しみがおありにならないのでございますから、少しはお宜しゅうございますけれども、………」
乳人がそんな風に云うと、父はしお/\と、子供が母に叱られたようにうなだれて、
「心配をかけて済まないな」
と云いながら、大人しく聴いているのであった。全く、老年に及んでいとしい人に背かれた父が、前から好きであった酒を一層嗜むようになり、それを唯一の伴侶とするに至ったのは是非もないことだけれども、その酔い方がだん/\狂暴に、常軌