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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

満ち、謎のように見えて来るのである。老人は、自分がこれほどの宝物を独り占めにしていること、世にこれほどの美女がいることを知っているのは自分だけで、当人さえもそれをはっきりとは知っていないらしいことを思うと、何となく得意の念の禁じ難いものがあり、どうかすると、此のような妻を持っているのを誰かに見せて、自慢してやりたい衝動をさえ感じるのであった。又翻って思うのに、もし此の人が口で云う通りのことを考えているのであったら、―――みずからの性的不満などは意に介せず、ひたすらに老いたる夫の命長かれとのみ願っているのが本心であるなら、―――その有難い志に対して自分は何を報いたらよいのか、自分は此の後、たゞ此の顔を眺めるだけで満足しつゝ死んで行きもしようけれども、此の若い人の肉体を、自分と共に朽ち果てさせてしまうのは餘りにも不憫であり惜しくもある。で、両手の間にその宝物をしっかりと挟んで視つめていると、いっそ自分のようなものは一日も早く消えてなくなって、此の人を自由にさせてやりたいと云う怪しい気持にもなるのであった。

「どうなさいましたの」

老人の眼に浮かんだ涙が、自分の睫毛に伝わって来たのを感じると、北の方ははっとして眼を開けたが、