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Japanische Klassiker mit Furigana

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しょうしょうしげもとのはは

少将滋幹の母

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 少将滋幹の母 (しょうしょうしげもとのはは) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 83.234 Zeichen · 160 Bildschirme

Aozora Bunko

今を時めく左大臣の北の方に、こんな工合にして平中が取次を頼んだのは一度や二度ではなかったと見えて、大和物語には又別な歌が伝わっている。―――

ゆくすゑの宿世も知らず我がむかし

契りしことはおもほゆや君

北の方はこれにも返歌を与えたらしいのであるが、生憎その歌は残っていない。が、文を通わすことは出来ても逢うことは許されなかったので、さしもの平中も次第に望みを失って匙をなげたらしく、やがて此の夫人との関係は果敢ない終りを告げたのであったが、そうなると自然、此の好色漢の心は、再び嘗てのもう一人の恋人、あの侍従の君の方へと傾いて行った。それと云うのが、此の人も左大臣家の女房として、同じ本院の館のうちにいるのであるから、夫人の方が脈がないと極まれば、平中としては手ぶらですご/\引込む気になれず、もと/\嫌いでも何でもなかった此の人を、せめて此の際物にしなければ自分の男が廃ってしまうように、恐らくは考えたことでもあろう。しかし意地の悪いことにかけては一と通りでない侍従の君が、今となっては尚更おいそれと平中に靡く筈はなかった。もし平中があの時翻弄されながらも一途に熱意を失わないで追い廻したら、結局試験に及第したことになって、許されたのに違いないのであるが、途中で脇道へ外れたゝめに、相手はすっかり機嫌を損じて一層旋毛を曲げて