Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんのし
少年の死
豊島 与志雄
Lesen Sie 少年の死 (しょうねんのし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.400 Zeichen · 27 Bildschirme
」と大人ぶった口を利いて、そのままばたばたと家の方へ駆けて行った。
妙な喜びと悲しみとが庄吉の胸の中に乱れた。それでも彼は自分のうちにまた或る悲痛な力を感じたのであった。
その晩庄吉は小母さんからひどく叱られた。
「お前さんは今日泥棒の真似をしたってね。へんさすが生れだけあって違った者だね。だが私の家に居る間はそんな真似は止しておくれよ。此度またしたらもう家に置きゃあしないからそう思っといで。碌でなしの癖に悪いことばかり覚えやがって、私達の顔にもかかわるんだよ。」
庄吉は横目でちらと見やると、堅吉は片隅に何知らぬ顔して坐っていた。
然しそれでも、庄吉はその時から特にみよちゃんが好きになった。夕方など彼女が他の友達と遊んでいる時、彼はよく物影から顔だけ出して彼女の方を見ていた。自分の身体を物影に潜めることもいつしか彼に或る不思議な喜びを与えるようになっていた。
そうした庄吉の姿を見出すと、みよちゃんはいつも急いで逃げて行った。
彼女が逃げてゆくと、庄吉は急に我に返ったような気持ちを覚えた。自分の身体を潜める神秘な楽しみが急に何処かに消散してしまって、みよちゃんが逃げてしまった後の淋しい気持ちが彼に明かに感じられて来た。