Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんのし
少年の死
豊島 与志雄
Lesen Sie 少年の死 (しょうねんのし) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.400 Zeichen · 27 Bildschirme
それから庄吉は小母さんの側で糊をして内職の封筒をはった。彼が眠むそうな眼をしばたたいていると、小母さんはよく斯んなことをいった。
「もっとしっかりおしよ、何だよ眠そうな眼をして。お前さんはもう十歳にもなるんだからちっとは稼ぐ事も覚えなくちゃいけないじゃないかね。お前さんのためには私達どんなに苦労してるか知れないよ。特別に大留さんにお願いして年季にも上げないでさ、うちから仕事場に通えるようにしてあげてるんじゃないかね。私達にだって子供があるしね、並大抵じゃないよ。」
庄吉は黙ってまた仕事の手を早めた。然し心のうちでは年季に上った方がいいと思った。
大留のうちには少年の心をそそるようなものがいくらも在った。新しい木材の香や鑿の音も彼の心を動かした。面白い音を出す柱時計やぴかぴか光っている道具類や棟梁の大きな銀の煙管なども彼の心を引いた。そして其処には彼を「肥桶」と呼ぶ人も無かった。皆が快活に勇ましく働いていた。
彼は其処で鑿と鋸とを持つことを教わった。手斧や鉋は中々許されなかった。然し彼は仕事に少年としては意外の悧発さを示した。そして自分でも、他人の手に成った螺鑽の穴を辿って角材に鑿を入れることがもの足りなかった。