Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんのしょくもつ
少年の食物
木村 荘八
Lesen Sie 少年の食物 (しょうねんのしょくもつ) von 木村 荘八 (きむらしょうはち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.263 Zeichen · 11 Bildschirme
――恐らく私は此の幅を十八年間眺めたものかも知れません。今思えば年中かけっぱなしで、おかしなものだが、何しろ必ず此の幅は兄キの室の床の間にあって、あの床の間にはあれがあるものと思っていました。尤も時々何だか薄い絵だとか、歴代天皇の御像だとか、正月には七福神とか、僕の五月には鍾馗、妹の三月には雛などとかけ代ったことはある。然し一時のことで、直ぐ又ドカンとした来者不拒……に代ります。又来者不拒が一番ぴったりとした、と云うより気に入った、これが出ていると気のすむような、いつものかけじでした。
――この文言が長らく読めませんでしたし、読んでもらっても、わかりませんでした。否、読むものなどとも別段思いません。見ていると不の字のふが、それ一字だけいつでも「ふ」と読めて気に入るし、去の頭の大きいのが何となく面白くて仕方ない。来る者は拒まず、去る者は追わず、と。之をこう読んで、それからその意味を何となく了解したのは極く極く後のことです。
私は、その家と十八の年に別れました。別れて浅草の家へ引越しましたが、却って、引越してから来者不拒のかけじを度々思い出しました。