Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんたんていちょう
少年探偵長
海野 十三
Lesen Sie 少年探偵長 (しょうねんたんていちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.286 Zeichen · 221 Bildschirme
身体がぐらりと右へ傾く。「あッ」という間もなく、彼の身体は穴の中へ落ちこんだ。両手をのばして、岩をつかもうとしたが、だめだった。
少年の身体は、深く下に落ちていって、やがて底にたたきつけられた。それは、わりあいにやわらかい土であったが、彼はお尻をしたたかにぶっつけ、「うン」と呻り声をあげると、気を失った。
気を失った少年のそばに、戸倉老人がゆずり渡した疑問の義眼が一つころがっていた。そして義眼の瞳は、まるで視力があるかのように、上に丸く開いている空を凝視していた。
空中放れ業
穴の中に落ちこみ、気を失ってしまった春木少年は、その直後に起った地上の大活劇を見ることができなかった。
まったく、彼の思いもかけなかったような活劇の幕が、そのとき切って落されたのであった。
ヘリコプターから、とつぜん、だだだだッ、だだだだッと、はげしい機関銃が鳴りだした。弾丸は、戸倉老人の倒れている身辺へ、雨のように降りそそいだ。弾丸が地上に達して石にあたると、ぴかぴかッと火花が光り、それが夕暮のうす闇の中に、生き物のようにおどった。だが、弾丸は、戸倉老人のまわりに落ちるだけで、老人の身体は突き刺さなかった。