Japanische Klassiker mit Furigana
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しょうねんれんめい
少年連盟
佐藤 紅緑
Lesen Sie 少年連盟 (しょうねんれんめい) von 佐藤 紅緑 (さとうこうろく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 110.920 Zeichen · 219 Bildschirme
絞車盤が糸をのばしはじめた、富士男を乗せたたこは、じょじょにのぼってゆく、一同はただ黙然とあおいで、そのゆくえを見まもった、せき一つするものもない。
すーとかごが地をはなれたとき、富士男はめまいを感じた、かれはウンと腹に力を入れて息をすった、さいわい、たこはかたむきもせず頭もふらず、きわめて動揺が少ない、かれはかごの四方をつった縄をしっかとにぎった、と、ブルンとたこがうなって、ひとゆれがきた、からだが一しゅんブルブルとふるえた、それはおそろしいような、こそばゆいような、名状のできない感じであった。十分間ばかりしたころ、たちまち物につきあたったようなひびきがあって、かごがゆらゆらとゆれた、富士男は時間からおして、たこの糸がのびをはったのだと知った。
片手で縄をにぎり、片手で望遠鏡をとって、四方を見おろした、湖水も、林も、岩壁も、すべては墨汁をまいたようで、眼にはいるものはない、ただそれと知れるのは、島をかこむ海水と平和湖の水色ばかりである、北南西の三方はみな重々たる密雲でとざされ、東の一角だけが、断雲のあいだに、三五の星がさんぜんとかがやいているばかりである。