Japanische Klassiker mit Furigana
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おくじょうのきょうじん
屋上の狂人
菊池 寛
Lesen Sie 屋上の狂人 (おくじょうのきょうじん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.649 Zeichen · 16 Bildschirme
こんな詐欺師のような巫女が、金ばかり取ろうと思って……。
義助 でもな、お医者さまでも治らんけんにな。
末次郎 お医者さんが治らんいうたら治りゃせん。それに私がなんべんもいうように、兄さんがこの病気で苦しんどるのなら、どななことをしても治してあげないかんけど、屋根へさえ上げといたら朝から晩まで喜びつづけに喜んどるんやもの。兄さんのように毎日喜んでいられる人が日本中に一人でもありますか。世界中にやってありゃせん。それに今兄さんを治してあげて正気の人になったとしたらどんなもんやろ。二十四にもなって何も知らんし、いろはのいの字も知らんし、ちっとも経験はなし、おまけに自分の片輪に気がつくし、日本中で恐らくいちばん不幸な人になりますぜ。それがお父さんの望みですか。なんでも正気にしたらええかと思って、苦しむために正気になるくらいばかなことはありません。(巫女を尻目にかけて)藤作さん、あなたが連れて来たのなら、一緒に帰って下さい。
巫女 (侮辱を非常に憤慨して)神のお告げをもったいなく取り扱うものには神罰立ち所じゃ。(呪文を唱えて以前のような身振りをなし一度昏倒した後立ち上る)我は金比羅大権現なるぞ、ただいま病人の弟の申せしこと皆己が利欲の心よりなり。