Japanische Klassiker mit Furigana
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そううんきょうよりだいせつざんへ
層雲峡より大雪山へ
大町 桂月
Lesen Sie 層雲峡より大雪山へ (そううんきょうよりだいせつざんへ) von 大町 桂月 (おおまちけいげつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.082 Zeichen · 20 Bildschirme
ならざる也。
明くれば一行の外、温泉の若主人塩谷忠氏、画家吉積長春氏加わりて、層雲峡を溯る。峰上に奇巌多し。巨巌の上部に小巌立ちて、あたかも人の子供を負えるが如きもあり。人の立てるが如きもあり。鉾の如きもあり。これはこれはと足を進むるに、一峰直立して、高さは二千尺もあらん。峰の正面は流紋岩の長柱を連ね、その長柱は峰の両側面に及ぶ。余巌峰を見ること多けれども、かくばかり不可思議なる巌峰を見たることなし。驚歎して、腰を石におろし、煙草呑みても、物足らず、一杯を傾けて、山霊に謝す。ああこれ山か。山ならば神※鬼斧の奥手を尽したる也。昨日層雲峡に入りて、鬼神の楼閣かと思いしも、今日より見れば、まだほんの鬼神の門戸なりし也。
昨日は鬼神の門戸を鬼神の楼閣と思いしが、今日は始めて鬼神の楼閣を見たり。その鬼神の楼閣一下して、墻壁となるかと思われしが、また崛起して楼閣を起し、二長瀑を挂く。右なるは三百尺、左なるは五百尺もやあらん。南画も描いて、ここまでには到らずと、またも一杯を山霊に捧ぐ。その楼閣の石柱続きて、尽くる所を知らず。余は見物しつつ行き、二人の人夫は魚を釣りつつ行く。