Japanische Klassiker mit Furigana
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やまだちもんどう
山だち問答
山本 周五郎
Lesen Sie 山だち問答 (やまだちもんどう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.163 Zeichen · 32 Bildschirme
……彼の眼はするどく光り、唇はぎゅっとひき緊った、その注視のはげしさに気づいて、なつがちらとこっちを見あげた、玄一郎はその眼をひたと覓めてから、机上に披いてある書物のほうへ向き直った。
明くる朝のことだった。非番に当るのでゆっくり朝食を済ませた玄一郎が、雨あがりの暖かい日のさす縁側に出て庭を見ていると、向うの物置の蔭にある菜園で、なつが、鍬を持ってしきりに畝の土を柔らげていた。彼もそれで土を打ったことがあるが、並よりは大きくてかなり重い鍬である、なつはそれをいかにも軽がると使っていた、腰の据えようも足の踏み方も正しい、さくっ、さくっと鋤き返す手ぶりのたしかさは寧ろ楽しげにさえみえた。……玄一郎は庭へ下り、気付かれぬように物置の脇へ近寄っていったが、やがてそこから出てなつの前へぐいと出た。
「薙刀も鍬も、扱う心得は詰り一つか」
「……まあ」なつはふいを衝かれて大きく眼を瞠った。
「……びっくり致しました」
「まあ鍬を置かないか、少し話がある」玄一郎はじっとなつの眼を見まもった、「……おまえは此家へ来るまえにおれの評判を聞いていた筈だ、そうではないか」
「はい」