Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのゆざっき
山の湯雑記
折口 信夫
Lesen Sie 山の湯雑記 (やまのゆざっき) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.401 Zeichen · 11 Bildschirme
越後金丸・越後片貝など言う新駅も、出来たばかりで、まだ人影もなく、深い山の中に真白に静まり返って居た。其等の前を自動車は通って、あてにして来た温泉場へ著いた。
秋の末になると閉めて帰り、春深く雪どけの頃、宿主は戻って来ると言った。信州の佐久の奥からやって来るのだと言う。そう言えば、此辺の景色が、千曲川の上流と何処か似て感ぜられる。景色のとり入れ方はむやみによいが、川の砂や石、第一、岩壁の色が、如何にも美しくない。其が味を薄くしている。ここで一晩とまった。村上あたりの中等学校の生徒だろう。五六人来て、宿の庭の岩陰に、てんとを張って居る。数年前から旅行すると、よくこうしたきゃんぷ連中に出あう。
荒川と言う其流れについて下って、高瀬とか言った宿屋数軒、外湯一棟と言う処も見て、湯沢温泉へ出た。そこで一軒、山の流れの行きどまりになったところの両側に跨って建って居る家に休んで、越後下関駅発の汽車の時間を待ち合せた。規模は小さいが、川の砂を掘り窪めて、村の子どもが泥の浴槽を造ったりしている遊び場が、鼻の先にあった。湯の量も相当にあるだろうのに、元湯の一棟を数室にしきった家族風呂を建てて居た。