Japanische Klassiker mit Furigana
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やまのゆざっき
山の湯雑記
折口 信夫
Lesen Sie 山の湯雑記 (やまのゆざっき) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.401 Zeichen · 11 Bildschirme
友人なる山の宮司が肝をいってくれて、夕饗は二の膳に到るまで、一切山の物ばかりであった。其中では、やっぱり月山筍が一番印象している。おなじ地竹と言っても、羽後の三山に亘って生える笋は、唯の篶竹のよりは肥えている。鶴岡の市場へ行って見たら、此が沢山出て居た。ちょっと見には、茗荷の長いのの様な感じがして居た。そうした舌の記憶を思い起すような事があるのは、誰もある事である。山や野の長い道の中で此追憶の来る時は、やるせないものだ。と言うことは旅をする者だけが知っている。そう言う道を通って、二十町も登ると、高湯とは別な湯元がある。小さな湧き場だが、お釜と言って、三山の湯殿山を思わせる様な恰好で、温泉が岩伝いに落ちて居る。此湯は、里人が神聖がって居たのだけれど、やはり白部の村人が、これを引いて湯宿を開いている。お釜の二町程下に、二階屋のあぶなく立って居るのが其だ。新高湯と言う。高湯から歩いて登るのにちょうど頃合いなので、三度もやって行った。宿の女年よりと知り合いになって、色々な山の菜を出して貰った。漬け物部屋までついて行って、説明を聞いたりしたものである。あいこ・どほな・みずぶき・ごうわらび・ほときまだ色々試して見たが、多くは忘れた。