Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いけぶくろのみせ

山之口貘詩文集

山之口 貘

Lesen Sie 山之口貘詩文集 (いけぶくろのみせ) von 山之口 貘 (やまのくちばく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 44.477 Zeichen · 93 Bildschirme

Aozora Bunko

父は、余程まいって来たらしく、ついに、半紙を二枚、ぼくの鼻先に差し出して、弟と妹の退校願を書けと命じたのである。それとは知らずに、弟と妹は、トランクのなかなど整理したりして、那覇への帰り仕度をしていたのであるが、事情がわかると、かれらはふたりともその場に泣きくずれてしまったのである。そのうちに、親類のある者から、三男の三郎を寄越せといって、父と母とが迫まられているところをぼくは見たのだ。三男の三郎というのは、つまりぼくのことなのであって、ぼくのことを寄越せと云っているその親類の者は、父にとっての債鬼なのである。ぼくのことを父の借金の身替りにして取って、東京へでも留学をさせて未来の大芸術家にでもするというのなら、ぼくにもわからないことはなかろうが、山奥の炭焼小屋で、ぼくのことを使いたいからとの申し入れなのである。彼は、横目でぼくを見ながら、

「親のためだとおもえばなんでも出来ないことはないさ」と云ったりした。そのような話がなんども持ちあがって来た頃、父は、たまらなくなって来たのであろう。親類間の借金、知人友人の借金、そして、銀行の金庫からの使い込みなどに対しては、刑によらなければ処理のつかないような口振りを示しながら、だからおまえも絵かきになろうが詩人になろうが、これから先はそのつもりで自分でやれとぼくに云っ