Japanische Klassiker mit Furigana
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やまぶき
山吹
泉 鏡花
Lesen Sie 山吹 (やまぶき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.366 Zeichen · 34 Bildschirme
死にもしないで、じれったい。……消えもしないで、浅ましい、死なずに生きていたんですよ。
――我が身に返りました時、年紀も二十を三つ越す。広い家を一杯に我儘をさして可愛がってくれました母親が亡くなりました。盲目の愛がなくなりますと、明い世間が暗くなります。いままで我ままが過ぎましたので、その上の我がままは出来ない義理になりました。それでも、まだ我がままで――兄姉たちや、親類が、確な商人、もの堅い勤人と、見立ててくれました縁談を断って、唯今の家へ参りました。
姑が一人、小姑が、出戻と二人、女です――夫に事うる道も、第一、家風だ、と言って、水も私が、郊外の住居ですから、釣瓶から汲まされます。野菜も切ります。……夜はお姑のおともをして、風呂敷でお惣菜の買ものにも出ますんです。――それを厭うものですか。――日本橋の実家からは毎日のおやつと晩だけの御馳走は、重箱と盤台で、その日その日に、男衆が遠くを自転車で運ぶんです。が、さし身の角が寝たと言っては、料理番をけなしつけ、玉子焼の形が崩れたと言っては、客の食べ余を無礼だと、お姑に、重箱を足蹴にされた事もあります。