Japanische Klassiker mit Furigana
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やまぶきのはな
山吹の花
豊島 与志雄
Lesen Sie 山吹の花 (やまぶきのはな) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.727 Zeichen · 22 Bildschirme
迷ったのか捨てられたのか、とにかく野良猫ではなかった。それが庭で何か食べていた。よく見ると、家に飼ってる猫の一匹が吐き出した食物だ。猫というものは、始終体の毛を嘗めるので、その毛が胃袋にたまると、草の葉や笹の葉を呑みこんで自ら胃袋を擽ぐり、飯粒などと一緒に毛を吐き出すことがある。その飯粒の塊りを、外来の仔猫が食べていた。もともと、毒物とか病気とかのために吐いたのではないから、害になるものではないが、それをむしゃむしゃ食べてるところは、浅間しくもあり穢ならしくもあった。きっと空腹だったのだろう。
田宮はいやな気がして、その仔猫を竹箒で追っ払おうとした。ところが図々しい猫で、箒の先でつっ突いてもなかなか逃げようとしなかった。図々しいというより寧ろ、だいぶ衰弱してるようだった。それを無理やり、往来の方へ追い出した。
それから暫くすると、その仔猫が、こんどは物置の屋根の上に登っていた。田宮は腹を立てて、物干竿で叩き落してやった。猫は鳴きもせず、逃げもせず、地面に蹲まってしまった。そこへ女中が来て、猫を竹箒の先で掃き去るようにして、往来の可なり遠い所へ追っ払ってくれた。