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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまぶきちょうのさつじん

山吹町の殺人

平林 初之輔

Lesen Sie 山吹町の殺人 (やまぶきちょうのさつじん) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.530 Zeichen · 37 Bildschirme

Aozora Bunko

兇行の発見を長びかすための犯人の小細工らしい。現場は非常に取り乱され、箪笥(たんす)、鏡台等の抽斗(ひきだし)はのこらずひき出して中味はまぜっかえしてあったが、紛失物もない模様であるからこれ亦(また)強盗の仕わざと見せかけるための犯人の詭計(きけい)らしい」

「同夜、山吹町で履物(はきもの)専門の空巣ねらいが逮捕されたが、同人は、被害者宅にてキッドの赤靴を一足盗んだという奇怪な陳述をしているので取調中である」

新聞の記事は大体以上のようなものであった。嘉子は靴のところを読んだときに思わず、昨夜大宅が玄関に脱ぎすてたままになっていた靴に目をやった。それはまだ買いたての新しい靴であることが一目でわかった。

――靴――ズボンの血――××省の用箋――大宅――嘉子は咽喉(のど)がつまってものが言えなくなった。

「おい、新聞を貸して御覧(ごらん)」

いつのまにか、三四郎も起きて、嘉子のうしろにたっていた。嘉子は思わず新聞をかかえた。

「お見せというに、何か出てるんだろ」

嘉子の全身がわなわな慄(ふる)えているので、大方の事情を察した三四郎は、つとめて冷静を装いながら追窮した。