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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうじん

山月記・李陵 他九篇

中島 敦

Lesen Sie 山月記・李陵 他九篇 (ぎゅうじん) von Nakajima Atsushi (中島 敦) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.608 Zeichen · 84 Bildschirme

Aozora Bunko

「僕のパラオ語の先生」とH氏は私に紹介した。H氏は今パラオ地方の古譚詩の類を集めて、それを邦訳しているのだが、その女は――マリヤンは、日を決めて一週に三日だけその手伝いをしに来るのだという。その晩も、私を側に置いて二人はすぐに勉強を始めた。

パラオには文字というものが無い。古譚詩は凡てH氏が島々の故老に尋ねて歩いて、アルファベットを用いて筆記するのである。マリヤンは先ず筆記されたパラオ古譚詩のノートを見て、其処に書かれたパラオ語の間違を直す。それから、訳しつつあるH氏の側にいて、H氏の時々の質問に答えるのである。

「ほう、英語が出来るのか」と私が感心すると、「そりゃ、得意なもんだよ。内地の女学校にいたんだものねえ」とH氏がマリヤンの方を見て笑いながら言った。マリヤンはちょっとてれたように厚い脣を綻ばせたが、別にH氏の言葉を打消しもしない。

あとでH氏に聞くと、東京の何処とかの女学校に二、三年(卒業はしなかったらしいが)いたことがあるのだそうだ。「そうでなくても、英語だけはおやじに教わっていたから、出来るんですよ」とH氏は附加えた。「おやじといっても、養父ですがね。