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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまもとゆうぞうしのきょうち

山本有三氏の境地

宮本 百合子

Lesen Sie 山本有三氏の境地 (やまもとゆうぞうしのきょうち) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 16.155 Zeichen · 32 Bildschirme

Aozora Bunko

であり、そのためになすべきことを只管にやって行く人間の誠意、義務、試み、感激の裡にこそ人生の価値がかくされている、という一貫したモラルである。「熊谷蓮生坊」という戯曲は、この作者の脚本として決して優れたものではないが、以上のようなこの作者の人生及び芸術的骨格を全く透きとおしに浮上らせている意味で、見落せない性質をもっている。山本有三氏は、この根幹をなす生涯のテーマから出立して、更にその人間としてなすべきことの内容と経過とその帰結とを小工場主、小学校、中学校、大学等の教師、下級中級サラリーマン、勤労婦人の日常葛藤の裡に究求し描き出そうとする。戯曲において、題材は時に神話に溯り、封建の武人生活に戻り、西郷南洲からお吉に迄拡がるが、根本の課題は常に変らない。そして登場する人物、配役も、少くとも「津村教授」から「真実一路」に至る間は、小説と戯曲とでいくらかの違いこそあれ、これも些か注意ぶかい読者ならば、おのずから心づかずにはいられない反復をもって、良人以外の男と恋愛的交渉のあった妻、ある妻。その女に対して、人間として為すべき道義の自覚から行動する男。それに母のない息子、ひがんだ息子、希望されずに生れた子、血の信じられない子等が絡んで、なすべきことの諸ヴァリエーションが奏せられているのである。