Japanische Klassiker mit Furigana
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たかせぶね
山椒大夫・高瀬舟他四篇
Lesen Sie 山椒大夫・高瀬舟他四篇 (たかせぶね) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.395 Zeichen · 40 Bildschirme
その次にまた生まれた太郎兵衛の娘は、とくと言って八歳になる。最後に太郎兵衛の始めて設けた男子の初五郎がいて、これが六歳になる。
平野町の里方は有福なので、おばあ様のおみやげはいつも孫たちに満足を与えていた。それが一昨年太郎兵衛の入牢してからは、とかく孫たちに失望を起こさせるようになった。おばあ様が暮らし向きの用に立つ物をおもに持って来るので、おもちゃやお菓子は少なくなったからである。
しかしこれから生い立ってゆく子供の元気は盛んなもので、ただおばあ様のおみやげが乏しくなったばかりでなく、おっか様のふきげんになったのにも、ほどなく慣れて、格別しおれた様子もなく、相変わらず小さい争闘と小さい和睦との刻々に交代する、にぎやかな生活を続けている。そして「遠い遠い所へ行って帰らぬ」と言い聞かされた父の代わりに、このおばあ様の来るのを歓迎している。
これに反して、厄難に会ってからこのかた、いつも同じような悔恨と悲痛とのほかに、何物をも心に受け入れることのできなくなった太郎兵衛の女房は、手厚くみついでくれ、親切に慰めてくれる母に対しても、ろくろく感謝の意をも表することがない。