Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

「……何だア……武雄から急報……何だア……犯人は何だア……税関……税関がどうしたんだア……ナニイ……マージャン……マアジャンたあ何だあ……朝の雀と書くウ……チューチューという雀かア……何だアサ違いだア……着物の麻だア……わかったわかった。馬鹿にするナア」

その声を聞いているうちに俺はブルブルと胴ぶるいがして来た。

「ヨシッ……何でも構わない。一つビックリするような記事を取って来てやろう。……こうなれば絶体絶命だ。どうするか見やがれ。……肝を潰すな山羊髯おやじ」

と決心するとモウ一つブルブルと胴震いがした。持って生まれた新聞記者本能が、ツイ今しがたの電話の声で眼覚め初めたのだ。そうして腹の減ったのも忘れて一気に応接間の暗い階段を駈け降りた。

当てどもない福岡の町のマン中へ飛び出した。生れ変ったような溌剌とした気持で……。

二

生れて初めて来た……知っている者が一人も居ない……西も東もわからない田舎の町でイキナリ新聞記事を探して来いと云われたら大抵の記者が屁古垂(へこた)れるだろう。

ところが吾輩は屁古垂れなかった。

ポケットに残っていた五十銭玉を、東中洲の盛り場で投出して、飯付(めしつき)十五銭の鋤焼(すきやき)を二人前詰込んだ吾輩は、悠々とステッキを振り振り停車場へ引返した。