Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
その拍子に思わずグッと手を突込んでみると、固い、四角い、新聞包みらしい箱に触った。その箱の中央に何かしら金具らしいガタガタするもの……麻雀(マージャン)?……
……何をするんです……
といわんばかりに若い男が眼を剥(む)いて吾輩を睨み付けた。青白い、鼻の高い、眉の一直線な、痩せこけた男だ。どこかで見たような顔だ……とは思ったがその時はどうしても思い出せなかった。まだ、さほど寒くもないのに黒い襟巻を腮(あご)の上まで巻き付けていたせいかも知れない。そうして慌てて果物? の包みを左に持ち換えた。その態度を見た瞬間にハハア……怪しいナ……と気付いた吾輩は、何気なく笑って見せた。
「イヤ失礼しました。田舎の電車は揺れますから……」
ナアニ、東京の電車だって揺れるのだが、取りあえず、そんなチャラッポコを云って相手の顔をジロジロと見ると、その男は忽ち頬を真赤に染めて、ニヤリと笑い返しながらヒョコリと一つ頭を下げた。喧嘩したら損だと気付いたのであろう。そのまま何となく落付かない恰好で背中を丸くしながら、次第次第に前の方へ行くと、身動きも出来ない乗客の間を果物の籠で押分け押分け袖の下を潜るようにして運転台へ出て、呉服町交叉点から一つ手前の店屋町(みせやまち)停留場へ近づくと、まだ電車が停まらないうちに運転手台の反対の方から