Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
「羽束さん。あんた非道(ひど)い人ね、あたしをどこまで苛(いじ)めるつもり……」
可哀相にお玉の眼には涙が浮かんだ。あとの文句は聞かずともわかっている。東海道で稼げなくなって、上海(シャンハイ)、長崎の門管ラインに乗換えたところを又、古疵(きず)同然の吾輩に附き纏われてはトテモ叶(かな)わないというのだろう。吾輩は然(そぞ)ろにお玉の窮況に同情してしまった。
「ね。後生(ごしょう)だから今日だけ、お狃染甲斐(なじみがい)に妾(わたし)を助けて頂戴。ね。妾、武雄(たけお)の温泉で長崎から宝石入りの麻雀(マージャン)を抱えて来た男の荷物を置き換えて来たんだから。その男が税関の役人に押えられる間際によ。そうしたら、武雄の刑事が喰い付いて来たから、妾ここで振り撒(ま)くつもりで降りたらモウ一人福岡署から加勢が来ている上に、アンタまで跟(つ)けて来るんだもの。妾モウすっかり観念しちゃったけど、アンタの気心がまだわからないから、行くところまで行ってみるつもりでここまで来てみたのよ。……ね……アンタ後生だから今夜妾と一緒に泊って頂戴。アンタ今、どこかここいらの新聞社に這入っているんでしょ。