Japanische Klassiker mit Furigana
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やぎひげへんしゅうちょう
山羊髯編輯長
夢野 久作
Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme
ヨクヨク臆病な男と見える。そんなに魘(おび)える位なら、そんな恐怖(こわ)い家の近くへ来なけあいいにと思った。
「実はねえ。あの隣家(となり)の屋敷を買いたいと思って、今日覗いて来たんだがね。持主は誰だい……今のところ」
「……ヘエ……あれはねえ……」
若い親方の顔色が、見る見る柔らいで来た。肩の下と両頬に赤味がポーッと復活して来る中(うち)に鋏がチャキチャキと動き出した。
「あれはですねえ。今んところあの一木ってえお爺さんの後家さんのものになっているんですがねえ。実はあっし頼まれているんですけども……」
「フウン。心安いのかい後家さんと……」
若い親方の顔が急に苦々しい、虫唾(むしず)の走りそうな恰好に歪(ゆが)んだ。同時にその眥(めじり)がスーッと切れ上って、云い知れぬ殺気を帯びた悪党面(づら)に変った。
「いいえ。……その……別にソンナ訳じゃありませんけど、あの後家さんがツイこの間来ましてね。呉々(くれぐれ)もよろしく……買手があったら安く売りますからってね」
「フウン。君はそれじゃ、古くからここに居たんだね」
親方は白い眼尻でジロリと吾輩の顔を見た。