Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

「ムフムフ。わしが……書いたがナ……」

と云い云い山羊髯にクッ付いた飯粒を抓(つま)んで口の中へ入れた。序(ついで)に総入歯の下の段を鼻の先へ抓み出して白茶気(しらちゃけ)た舌の先でペロペロと嘗(な)めまわした。

不愉快なおやじだな……と思ったが、それどころではなかった。

「……冗談じゃない。コンナ馬鹿な事を犯人が喋舌(しゃべ)ったんですか」

「ムフムフ。第二の告白の方は昨日(きのう)の夕方箱崎の署長が当社へ礼云いに来た。お蔭で、永い間の不名誉を回復しましたチウテナ。法学士出のホヤホヤの署長じゃが、学生上りの無邪気な男でな。その序(ついで)に何も彼(か)も喋舌って行きよりましたよ」

「第三の告白の方も署長が喋舌ったんですか」

「イイヤ。それはわしが署長に入れ智恵したことですわい。犯罪の定石ですからな。あの署長は無経験な正直者ですけにキットわしが云うた通りに誘導訊問をしましょうて……」

「ヘエ……それじゃ、まだ実際に白状した訳じゃないんですね」

「……モウ今頃は白状しとりましょう。犯人もむろん後家さんと同棲する腹じゃないのじゃから、将来の考えが頭の中でチグハグになっとるに違いない。