Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やぎひげへんしゅうちょう

山羊髯編輯長

夢野 久作

Lesen Sie 山羊髯編輯長 (やぎひげへんしゅうちょう) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 51.441 Zeichen · 102 Bildschirme

Aozora Bunko

冴え切った微笑を含み含み天下無敵の科白(せりふ)を並べ初めた。

「わたくし、ちゃんと存じております。……あの此村ヨリ子と申します娘は鎮西電力のタイピストで、この安島の妾(めかけ)になっていた女で御座います。……安島の浮気はいつもの事で、相手も数限りない事で御座いますから、わたくしは何も……申しませんでしたけれども、主人が、あんまり見瘻(みすぼ)らしい処へ通いますから、家柄にも拘わると思いまして、それほど気に入った女(ひと)なら、当宅(うち)へ引取って召使ってはどうかと勧めましたけれども、安島は、そんな事はない。アレは妾でも何でもない。気の毒な孤児(みなしご)だから、人から頼まれて世話しているだけだと申します。タイピストを辞(や)めさせてまで世話する筋合いがドコに在るか存じませんが……ホホ……それで、わたくしは決心を致しまして、あの宿の主人と相談を致しまして、ヨリ子を今朝(けさ)から当宅(たく)へ引取って、わたくしの側で召使う事に致しましたが、あまり来方(きかた)が遅う御座いましたので、当宅(こちら)の自用車を迎えに出したので御座います。これは妻として主人の名誉を大切に致しますために、取計(とりはか)らいました事で、決して余計な事を致したおぼえは御座いません」