Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme

Aozora Bunko

ドイツの大使館も知らない。ドイツ人も知らない。何だって、俺がヒットラー氏に対して腹を立てたんだろう。なぜだか俺にも分らないんだ。多分、こういうことになるんだろう。つまり、あんまり手近かな奴に対して腹を立てると、言い合いをしたり、まかり間違ったら殴り合いをしなければならん。そんなことはどうも面倒でいかん。何でも構わないから、滅多に出かけて来て、ケンカを吹っかけそうもない奴で、大もので、面つきの気に食わん奴に『腹を立てとけ』とでもいうことに、俺は考えていたんだろう。そうとでも考えなければ、俺は、何だって、ヒットラー氏に腹を立てたか、サッパリ訳が分らないんだ」

「馬鹿だわ。あんたは。卑怯者なんだわ。あんたは。腹を立てなきゃならない時には、いじけ込んでいて、あんたに何にも関係のない事に腹を立てているんだもの。わたしにも、どうやらあんたという人間が分りかけて来たわ。あんたは、もの事を大きい事と、小さい事と、この二つに分けているんだわ。あんたは世間の事を、まるで怪我みたいに、大怪我と、ちょっとした傷と、位に分けて考えてるんだわ。だから、大きな出来事についてだけ、あんたは興味を持っていて、小さな傷を打つ捨っとくのよ。