Japanische Klassiker mit Furigana
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さんけいにいくるひとびと
山谿に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.699 Zeichen · 67 Bildschirme
何かその底にあるらしい。と、小林は大山に言うのだった。
「他人の土地を無断で拝借したのが悪い、と言っていられるんじゃないか。そうでしょうか」
と、大山が訊いた。
「悪いと言うのじゃないが」
と、農夫の一人が答えた。
「はっきりしてくれ。はっきり。地代が欲しいんなら欲しい、とはっきり言ってくれよ。そう、ねちねちやられて堪るかい。百姓にコミやられて土方で飯が食えるかい。冗談に土方をしてるんじゃねえや。こう見えたって、太平洋と日本海を繋ごうってえ、国家的な事業をやってんだ」
「そんな乱暴な事を言うんなら、この畦道を通ってもらうまい」
「何、畦道を通るな! 通ったらどうするんだい。面白え。通るなってえんなら、なおさら通ってみてえや。この野郎!」
大山は間に入った。
「止せよ。土方と舟方と喧嘩して、人間が仲に入ったってなあ、ありゃ昔噺だぜ。止せったら兄弟。で、畦道を通るなって言われたって、宙を飛んで来る訳にもいきませんし、土地ってっても、一坪とか二坪とかいうんなら地代も出せますが、三寸角や五寸角じゃ、どうにも勘定ができませんですが、こうして戴けないでしょうか。無断借用を大目に見て頂いて、長い事もありませんから、酒一升買う、という位のところで、辛抱してもらえませんでしょうか。