Japanische Klassiker mit Furigana
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いわなのかい
岩魚の怪
田中 貢太郎
Lesen Sie 岩魚の怪 (いわなのかい) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.259 Zeichen · 9 Bildschirme
それは山女であった。
「や、一つ浮いた」と、何人かが云った。
しゃくい網を持った者は、手早くそれをしゃくって捕った。十尾ばかりの小さな鮠も水の泡のように浮んだ。続いて二つばかり蒼白い魚が浮いて来た。腹の黄いろな細長い胴体が浮いて来た。その胴体はであった。
「※(「魚+亶」、第3水準1-94-53)だ、※(「魚+亶」、第3水準1-94-53)だ」と、壮い男が嬉しそうに叫んだ。
山女と岩魚を十尾ばかり捕ると一行はその淵を捨てて下の淵へ往った。上流の毒汁が幾分でも流れ込んでいるので、もう五つ六つの※(「魚+亶」、第3水準1-94-53)が腹をかえして片泳ぎをしていた。そこにもまた皮粕を入れた。山女や岩魚がまた七八尾半死になって浮いて来た。
一行は下へ下へと降って往った。そして、淵を見ると皮粕を入れて、半死になって浮いて来る魚を捕った。
陽が傾いて谷の間が陰になった時分に、今までよりは大きな淵に出くわした。
「ここにはいるぞ」と、顎髯の男が云った。彼は皮粕を入れる役になっていた。
皮粕は他の淵の倍も入れられた。二三尾の岩魚が先ず浮いて来た。その後から山女が一つ浮いて来た。