Japanische Klassiker mit Furigana
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しまばらしんじゅう
島原心中
菊池 寛
Lesen Sie 島原心中 (しまばらしんじゅう) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.293 Zeichen · 29 Bildschirme
僕は、自殺幇助の事実があることを最初から信じていたのです。それに、先刻ちょっと見たときにも、傷口が一刀のもとに見事に突かれていることに気が付いていたのです。
『どうだい。俺には、あの女に、お前がいうほど勇気があるとは、どうしても思えないのだがね。そこが、不思議で堪らないのだがね。どうだい。本当のことをあっさりといってくれんかな。実はお前が、突いてやったのだろう』
若者は明らかに狼狽しながら、
『いえいえ、滅相な滅相な』と打ち消しました。
『じゃ、きくがね。あの女の喉のところに掻き傷があるが、あれはどうしたんだ』
若者は顔が赤くなったかと思うと、黙っていました。
『お前が、一緒に突いてやったのじゃないか』
若者は、首を横に、微かに動かしました。
『じゃ、そんな覚えはないというんだね。女が喉を突くとき、お前の手は女の身体に触れていなかったというのかい』
『いいえ。二人抱き合って』
僕は心のうちで、『しめた!』と叫びました。
『二人抱き合って、うむ。先刻は、そんなことはいわなかったようだね。なるほど、二人抱き合って』
『二人一緒に抱き合って、女が喉を突くと、一緒に転げたのです。