Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くずれるおにかげ

崩れる鬼影

海野 十三

Lesen Sie 崩れる鬼影 (くずれるおにかげ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.100 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

山の上に、まるで噴火口でもあるかのように、ポッカリと大穴が明いているのです。穴から下を覗いてみますと、底はどこまでも続いているとも知れず、真暗見透しがつきません。

「こんな穴は、以前から有ったろうか」白木警部は不安に閃く眼を一同の方に向けました。

「いいえ、ありませんです。ここはずッと盆地のように平になっていて、青い草が生えていたばかりですよ」

「ほほう、すると何時の間に出来たのだろうか」

「もしや……」

「もしや何だッ」と警部は声をはりあげて聞きかえしました。

「もしや、あの化物が明けたのでは……」

「そんなことかも知れん。天井の壁さえ抜けば、あとは軟い土ばかりだったのかも知れない」

「すると化物は、どッどこに……」

「さあ――」と警部が不図傍らの土塊に眼をうつしますと、妙なものを発見しました。

「おお、そこに人間の足が見えるではないか」

一行はあまりに近くへ寄りすぎて、穴ばかりに気をとられ、傍らの堆高い土塊に気がつかなかったのです。そこから二本の足がニョッキリと出ています。全く裸の脚です。誰の足でしょう。行方不明になった谷村博士も黒田警官も洋服を着ている筈です。