Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
「とうさん、障子なんか張るのかい。」
次郎はしばらくそこに立って、私のすることを見ていた。
「引っ越して行く家の障子なんか、どうでもいいのに。」
「だって、七年も雨露をしのいで来た屋根の下じゃないか。」
と私は言ってみせた。
煤けた障子の膏薬張りを続けながら、私はさらに言葉をつづけて、
「ホラ、この前に見て来た家サ。あそこはまるで主人公本位にできた家だね。主人公さえよければ、ほかのものなぞはどうでもいいという家だ。ただ、主人公の部屋だけが立派だ。ああいう家を借りて住む人もあるかなあ。そこへ行くと、二度目に見て来た借家のほうがどのくらいいいかしれないよ。いかに言っても、とうさんの家には大き過ぎるね。」
「僕も最初見つけた時に、大き過ぎるとは思ったが――」
この次郎は私の話を聞いているのかと思ったら、何かもじもじしていたあとで、私の前に手をひろげて見せた。
「とうさん、月給は?」
この「月給」が私を笑わせた。毎月、私は三人の子供に「月給」を払うことにしていた。月の初めと半ばとの二度に分けて、半月に一円ずつの小遣を渡すのを私の家ではそう呼んでいた。
「今月はまだ出さなかったかねえ。