Japanische Klassiker mit Furigana
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あらし
嵐
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐 (あらし) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.007 Zeichen · 108 Bildschirme
」
「とうさん、どこへ行くのさ。」
「まあ、とうさんについて来て見ればわかる。きょうはお前たちに分けてくれるものがある。」
次郎は、私がめずらしいことを言い出したという顔つきをした。いよいよ私の待っていた日が来た。私は娘にも言った。
「早昼で出かけるぜ。お前もしたくをするがいいぜ。」
次郎が町のほうへ自動車を約束しに行って帰って来たころに、私も末子も茶の間にいて着物をかえるところであった。出かける時間の都合もあったので、私は昼飯をいつもより早く済ました上で、と思った。
「末ちゃん、羽織でも着かえればそれでたくさんなんだよ。きょうは用達に行くんだからね。」
「じゃ、わたしは袴にしましょう。」
私と末子とがしたくをしていると、次郎は朝から仕事着兼帯のような背広服で、自分で着かえる世話もなかったものだから、そこに足を投げ出しながらいろいろなことを言った。
「おい、末ちゃんはそんな袴で行くのかい。」
「そうよ。」
そう答える末子は婆やにまで手伝ってもらわないと、まだ自分ひとりでは幅の広い帯が堅くしめられなかったからで。末子は母さんののこした古い鏡台の前あたりに立って、黒い袴の紐を結んだが、それが背丈の延びた彼女に似合って見えた。