Japanische Klassiker mit Furigana
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
Lesen Sie 嵐・ある女の生涯 (あるおんなのしょうがい) von 島崎 藤村 (しまざきとうそん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.846 Zeichen · 96 Bildschirme
午後に、熊吉は小石川方面から戻って来た。果して、弟は小間物屋の二階座敷におげんと差向いで、養生園というところへ行ってきたことを言い出した。江戸川の終点まで電車で乗って行くだけでもなかなか遠かったと話した。
「それは御苦労さま。ゆうべもお前は遅くまで起きて俺の側に附いていてくれたのい。お気の毒だったぞや」
こうおげんの方から言うと、熊吉は、額のところに手をあてて、いくらか安心したような微笑を見せた。
「俺にそんなところへ入れという話なら、真平」とまたおげんが言った。「俺はそんな病人ではないで。何だかそんなところへ行くと余計に悪くなるような気がするで」
「姉さんはそういうけれど、私の勧めるのは養生園ですよ。根岸の病院なぞとは、病院が違います。そんなに悪くない人が養生のために行くところなんですから、姉さんには丁度好かろうかと思うんです。今日は私も行って見て来ました。まるで普通の家でした。そこに広い庭もあれば、各自の部屋もあれば、好いお薬もある。明日にも姉さんが行きさえすれば、入れるばかりにして来ました。保養にでも出掛けるつもりで行って見たら、どうです」
「熊吉や、そんなことを言わないで、小さな家でも一軒借りることを心配してくれよ。