Japanische Klassiker mit Furigana
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じゅんさじしょく
巡査辞職
夢野 久作
Lesen Sie 巡査辞職 (じゅんさじしょく) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 31.907 Zeichen · 63 Bildschirme
被害者の養子です。ハイ。元来、この村の区長の次男であったのですが、今年の二月に深良家……被害者の処へ養子に行った者です。まだ籍は入れていないようですが、ナア一知……お前はまだ籍を入れておらんじゃろ……ウン……そうじゃろ、ハイハイ……何ですか……ハイハイ……その深良家と申しますのは村からチョット離れた小高い丘の上に在ります一軒家で、村の者は皆、深良屋敷深良屋敷と云っております。村でも一番の大地主で、この辺でも指折の富豪です。殺されたというのは、その老夫婦ですが……イヤイヤこの頃この国道にはソンナ浮浪人は通らないようです。以前はよくルンペンらしい者の姿を見かけましたが。ハ……ハイ。承知しました。私はこれから直ぐに現場へ参ります。ハ……お待ちしております」
草川巡査は手早く帽子を冠って、官服のズボンに両脚を突込んで上衣を引っかけた。編上靴をシッカリと搦み付けて、勝手口から佩剣を釣り釣り出て来ると、国道とは正反対の裏山に通ずる小径伝いにサッサと行きかけたので、表通りで待っていた一知青年は、慌てて追っかけて来た。
「アッ。こんな方へ行くのですか。山道はまだ濡れておりますよ。