Japanische Klassiker mit Furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Lesen Sie 左近の怒り (さこんのいかり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.454 Zeichen · 95 Bildschirme
「あるいはバクダンを仕掛けて金庫を爆破する必要があるかも知れないね」
甚しく文学的興味をそそる御返事だから、左近は思わず相好をくずした。これには物に動じぬらしいアルジも薄気味わるそうな顔をそむけた。
「金庫を爆破すれば、ボクがつかまるでしょうが」
「そこを適当にやるのだ。キミの身体なら、できそうだ。殺してはこまるが、二三人適当に眠らせる必要はあるだろう」
「天下のお尋ね者だね」
「万一の場合の用意はぬかりがない。キミの生涯の安全はまちがいなく保障する」
「どんな風に保障しますか」
「キミが承諾してくれれば、その方法を指示する」
「ついでに女の住所姓名を教えて下さい。腹の虫がおさまらないから」
「それだけは教えられない。また恐らく誰もそれを突きとめることはできないだろう」
「それほど神秘的ですか。あのマタハリが。なアに、ボクが突きとめて見せますよ。ツラの皮をひンむいてやろう」
「キミの見ることのできない世界がこの東京にはあるのだね」
「その文句が気に入ったね。よろしい。しからば彼女の盗んだ品を盗み返してあげましょう」
そこで左近は改めて先刻の青年に紹介された。そのカリの名を千葉とよぶのである。