Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
さこんのいかり
左近の怒り
Lesen Sie 左近の怒り (さこんのいかり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.454 Zeichen · 95 Bildschirme
ア。なんだ。氏家少尉殿ですか」
「キミが大竜出版の社員かね」
「今日からそうなんです。実はこれこれの次第でにわかにそうなったのです。しかし、氏家さんが印刷屋とは知りませんでしたね」
「終戦のとき基地に不要の印刷機械が三台あったのを貰ってきて商売をはじめたら何となくモノになっちゃったんだよ」
「ハハア。ボクらの密輸船と同じ式の印刷会社ですか」
「キミが大竜出版の社員ならオレも考え直さなくちゃアなるまい。もともとこの出版にはインチキがあるとオレは睨んでるんでね。大竜出版は知らないらしいが、著者の住田嘉久馬がインチキなのだ。結局高い値で売りつける肚だね。出版に至らぬうちに立消えになるものとオレは睨んでいるのさ」
「それではバカバカしいですね」
「その通り。立消えになればオレは金がもらえないし、たぶん大竜出版も一文もとれないだろうと思うんだ」
「やるだけ損ですね」
「しかしキミが大竜出版の社員なら、やろうじゃないか」
氏家太郎はニヤリと笑った。感謝していいのかどうか左近はわけがわからない。
「社員というほどレッキとしたものじゃアないんですがねえ。無理していただくと、どうも、こまるな」