Japanische Klassiker mit Furigana
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さこんのいかり
左近の怒り
Lesen Sie 左近の怒り (さこんのいかり) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 47.454 Zeichen · 95 Bildschirme
「この部屋にカギをかけていらして下さい」
「ありがとう」
左近は念のためカギをかけた。病人の玉子では三名の女中を制しきれない心配があったからである。
住田の部屋を突きとめて、外から様子をうかがってみると、彼は余念もなく何か書き物をしている。よほどメモるのが好きなタチらしい。むろんこの邸内に犬の関所を通りぬけて左近が忍び入ったことなどは全く気がついていない。
左近はサッと戸をあけて住田にせまった。住田がふりむいた時はおどりかかってねじ倒していた。腕の関節の逆をとってねじ伏せ、他の部屋から拾ってきた紐で手と足に縄をかけた。
「安心しなさい。別に命はとりません。キミの計画通り金庫を破って秘密書類を盗んで行くだけだ。キミの計画とちがうのは、ボクがたぶん犬に殺されずにここを立ち去るだろうということと、秘密書類が大石一味の手に渡らずに天下に公表されるだろうということだ」
左近は住田を大きな本箱にくくりつけた。住田がうごけば本箱の下敷となるばかりである。
左近は玉子の部屋へとって返して報告した。玉子は着物を着かえ、薄化粧して待っていた。再び部屋にカギをかけて、二人は金庫のある部屋へ行った。