Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
おぐらいけのはす
巨椋池の蓮
和辻 哲郎
Lesen Sie 巨椋池の蓮 (おぐらいけのはす) von 和辻 哲郎 (わつじてつろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.016 Zeichen · 12 Bildschirme
そういう印象を受けたのは、ほのぼのと夜が明けて来て、広い蓮池が見渡せるようになった時であるが、それが何時ごろであったかははっきりしない。四時と五時の間であったことだけは確かである。どれほど長くこの光景に見とれていたかということも、はっきりとは覚えていない。が、やがてわれわれは、船頭のすすめるままに、また舟を進ませた。蓮の花の世界の中のいろいろな群落を訪ね回ったのである。そうしてそこでもまたわれわれは思いがけぬ光景に出逢った。
最初われわれの前に蓮の花の世界が開けたとき、われわれを取り巻いていたのは、爪紅の蓮の花であった。花びらのとがった先だけが紅色に薄くぼかされていて、あとの大部分は白色である。この手の花が最も普通であったように思う。しかし舟が、葉や花を水に押し沈めながら進んで行くうちに、何となく周囲の様子が変わってくる。いつの間にか底紅の花の群落へ突入していたのである。花びらの底の方が紅色にぼかされていて、尖端の方がかえって白いのであるが、花全体として淡紅色の加わっている度合が大きい。その相違はわずかであるとも言えるが、しかし花の数が多いのであるから、ひどく花やかになったような気持ちがする。