Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
「いいえ、わたくしなんど、ほんとに何もできませんのでございますけれど、さいわい兄が万事に眼を届かせてくれますので、どうやら――」
お駒は、一にも二にも磯五を兄々と立てて、すっかりその妹になりすましている。
ふと、おせい様は、気がついて、座敷のなかを見まわした。
「おや、高音さまとやらおっしゃる、お従妹さんがおいでになっているのでございます。つい今しがたまで、ここにすわっておいででございましたよ。はて、どこへいらしったのでございましょう」
お高は、思いきって、つぎの間から出て行った。じろりとすばやく、磯五をにらんだ。
「こちらで、お掛け物を拝見しておりましたのでございますよ」
磯五の顔を、蒼いおどろきと、怒りが、走りすぎた。が、声は、思いがけないところで、従妹にあったという、愉快な、意外さを示して、ほがらかにひびいた。
「おお、これは、高音か。相変わらず、どこへでも出かけてくるようだな」
「はい。用さえあれば、どこへでも出かけて、何でもいいますよ」
「ははは、相変わらず元気で、面白いことをいいます」
磯五は、すごい表情をして、お高をにらみ上げていた。お高は、平気なのだ。