Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
お前はお安じゃないか。間違いだなんて、いわせはしないよ。お前だって、わたしの顔をお忘れじゃああるまい」
おおぜい奉公人を使って、気の強いお民だ。正面から、お駒を見すえて、きめつけた。すると、不思議なことには、今のいままで、磯屋の店をひとりで切りまわしている、五兵衛の妹お駒として、すっかりおさまっていたお駒が、今もいうとおり、凍ったようになってしまったと思うと、こんどは、顔を、真っ赤に、というよりむらさきにして、たちまちへなへなと折れてしまいそうに見えた。
おせい様は、何やらいっこうわからないながらも、磯五の手まえをおそれて、いそいで、お民をたしなめにかかった。
「お民さん、何をいうのですね。お安などと、とんでもない間違いをしては、いけませんよ。お民さんがとんでもない人違いのことをいうものですから、お駒さんがあんなに困って真っ赤になっていなさるじゃありませんか」
お民は、お駒から、眼を離さずに、せせら笑った。
「おせい様こそ、ばかな間違いをしているのですよ。きっと何か、食わせものに引っかかっているのですよ。半年ほどまえのことですが、わたしゃこのお安の顔は、忘れっこありませんよ。