Japanische Klassiker mit Furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme
いや、金のこととなると、世間はみんな恐ろしいぞ。金にかけては、人はすべて鬼なのだ。まず、この若松屋惣七がその筆頭かな」
「はい」
「はいという返事は手ひどいぞ。ははははは、なに、このごろ、磯五の店を暖簾ごと買い取ったものがあってな、つまり、磯五は磯五だが、そっくり人手に渡ったのだ。そのあたらしい主人というのが、眉毛に火がついたように、古い貸しの取り立てをはじめている。この高音のほうも、その一つだろう」
「はい。そうしますと磯五には、あたらしい金主がついたのでございましょうか」
「金主かどうか、それは知らぬ。が、店の名義は、変わったな。挨拶が参っている。それやこれやで、古証文に口をきかせて、いくらにでもしようというのであろう。よくあるやつだが、今度の磯五は、腰が強そうだぞ」
「はい」
「呉服仲間は、馬鹿にできん商売仇敵として、はやおそれておる」
「はい」
「もうゆきなさい。わしも、ちと横になろう」
「では、あの、お床をおとり申しましょうか」
「ううん。それには及ばぬ。たたみの上で、結構だ。手まくらで、とろとろと致そう」
「はい」
「早うあちらへまいれ! その手紙を、それぞれ使いに持たせて、即刻届けさせるのだ」