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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lesen Sie 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 365.120 Zeichen · 728 Bildschirme

Aozora Bunko

談合の要はない。若松屋も、もうあきらめました」

「あの、おあきらめなすったと、おっしゃいますと?」

「この若松屋の名と、両替の店を、暖簾ごと手放すのだ、買い手のこころ当たりも、ないことはない」

「では、どうあっても――」

お高の顔いろが変わった。眼がすぐ泪で光って来たとき、

「若松屋惣七殿ですか。龍造寺主計と申します」

声が、絹雨の縁側から上がってきた。背負ってきたふろしき包みからでも出したのだろう。龍造寺主計は、旅装束を着かえているのだ。

若松屋惣七が、声のするほうへ向かって、ちょっと衣紋をつくろっているうちに、龍造寺主計は、さっさと部屋へはいって来て、すわってしまった。

「若松屋惣七でございます」

若松屋惣七は、かるく頭をさげた。誰にむかっても、低くあたまを下げないのが、若松屋惣七なのだ。

「せっかくの御光来に、他行をしておりまして、失礼をいたしました」

「いや、わたしこそお留守に上がって泊まりこんで――」

龍造寺主計は、そういって、若松屋惣七とお高の顔を、見くらべた。

「何です。お取りこみな。お邪魔なら、また後刻――」

おどろいたようにいって、たちかけた。